エンゼルケアにおける死後処理とは

エンゼルケアとは主に病院で看護師が行う死後処理と、整髪やメイクなどの外見のケアを指します。エンゼルケアは死に化粧のイメージが強い傾向にありますが、亡くなった方の全式を清拭するなどの死後処理も大切な役割です。エンゼルケアにおける清拭などの処理は、昔からある亡くなった方の遺体を沐浴する、湯灌という風習が発祥とされています。それが時代の流れとともに変化し、沐浴ではなくアルコールによる清拭が主流となったのです。日本では死後の様々な処置について、法の整備はされていません。そのため、病院ごとにエンゼルケアのマニュアルや流れは多少異なります。

エンゼルケアの一般的な死後処理は、医療器具の取り外しや医療器具の跡の手当、全身の清拭、脱脂綿処理、着替え、整髪、メイクなどです。そのほかの死後処理として、排せつ物の処理や体液が漏出するのを防ぐ処理などを必要に応じて行います。また、遺体の腐敗を防ぐための冷却処理も必要です。死後処理には遺体のにおいを防いだり、遺体からの感染症を予防したりする大切な役割があります。病院で亡くなった方の遺体は病室から霊安室に移動し、その後自宅や葬儀場へ搬送されます。病院によっては医療知識や技術の必要な死後処理は看護師が行い、着替えや整髪、メイクなどは専門業者が担当するケースも多いです。このように様々な面からエンゼルケアは不可欠なものですが、それだけでなく亡くなった方の尊厳を守る仕事でもあることを心がけて死後処理を行うことが大切です。